病気に「かかる」と風邪を「引く」の違い いつから使われてる?
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雑学
インフルエンザや花粉症、肺炎、喘息などは「かかる」と言いますよね。
でも、風邪は「ひく」と言います。この、「かかる」と「ひく」の違いは何でしょうか?
医学の世界では
「かかる」は漢字で「罹る」と書きます。この意味は「病気になる」という意味なのです。
しかし、「風邪を引く」というのはもともと病気ではなく、熱やせき、鼻水の状態の事で
”体調が悪くなること”を指しているのだそうです。
ところが余りにも「風邪を引く」という人が多かったので、明治時代になると『かぜ症候群』
という病気の扱いになったそうです。
でも、なぜ体調が悪くなることを「風邪をひく」と言ったのかは医学の世界ではわからない
そうです。
「風邪をひく」という言葉が使われるようになったのは
言葉の使い方に詳しい、大東文化大学 山口准教授によると、「風邪を引く」という言葉
が使われるようになったのは『平安時代』からだそうです。
887年 平安時代の中期頃、風邪や熱で体調を悪くする人が多く、たくさんの人が命を
落としていたそうです。
なぜ、平安時代に体調を悪くする人が続出したのでしょうか?
そのきっかけは平安時代の家が原因なんだそうです。
どのようにして「風邪をひく」を使うようになったのか
平安時代の家の特徴というと、「家の外周に壁がまったくない」ということです。
今では絶対に考えられないですよね・・・(;^_^A
奈良時代には家に壁があったのだそうです。それが何故、平安時代になり壁がなくなっ
たのかというと、平安時代の人々は四季折々の風景を感じられるように屋敷の中に
庭を作ったのです。そして、美しい庭を家の中から見れるように家の壁をなくした
のだそうです。
この壁をなくしたことが原因で、冬ともなれば壁がないのですから直接体に風が当たり、
体調が悪くなったのです。
・・・というか、考えればわかりそうな事ですけどね・・・平安時代の方ってちょっと
おバカさんなのでしょうか?そこまでして風流にこだわれるのはある意味凄いですけど、
体を壊してたら元も子もないですよね・・・
ということがあり、平安時代の人たちは外気の冷たい風に当たると咳が出たり、熱が
出たりして体調が悪くなると考えたのです。
「風を体に引き込む」→「風邪を引く」となったのですね。
この言葉が貴族から庶民へ広がり、体に悪影響を及ぼす風→「邪気」と呼ぶようになり、
「風」+「邪」=『風邪』と呼ぶようになったのです。
まとめ
いかがでしたか?
病気は「罹る」、風邪は寒い風を引き込んで「風邪を引く」という違いから呼び方が
違うのだそうですよ。
しかし、平安時代の人たちが壁がなくて寒くても我慢できたのが凄いですし、それを指摘
する人がいないのもどうかと思いますよね。
現代ではどうしても機能重視になりがちですが、女性がおしゃれのためなら寒さも厭わ
ないというのに似ているかもしれませんね。
どちらにしても病気も風邪も引かないのが一番ですね。
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